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雑草のような雑念と雑考

運動会の玉入れの起源にまつわる新説

 小学校の運動会の競技のうち、障害物競走やパン食い競走のような父兄か教員が考えた類いの競技もあれば、騎馬戦のような富国強兵の政策の置き土産の類いもある。

 綱引きのような神事か祭りでの競技が持ち込まれたものとして、玉入れをその仲間にしたいと思う。

 下の保育園での玉入れ風景はほのぼのとしているので、一見の価値はあろう。


向洋保育園2018運動会玉入れ

 

 そもそも、なぜ紅白なのかというのも面白いテーマだが、それは源平合戦を模しているとかよく知られたる学説があるであろう。

 玉入れの起源に関しては、各地に残っていた柱松に籠を置き、そこに燈火を投げ入れる火祭りの末裔だというのが自分の主張であります。

 下にYouTubeの周防柱松の映像を示すが、ずいぶんと勇壮な火祭りだ。子どもの玉入れと趣はだいぶ違う。しかし、やっていることは玉入れと同じであります。

 

 


ふるさとの火祭り 周防柱松 "Suou Hashiramatsu"

 

 Wikipediaでは玉入れについて、北海道の和寒町が発生の地としているが、それは学校行事で行ったという情報でしかなかろう。

 柳田国男翁の『神樹考』の「柱松考」や「柱祭と子供」などの豊富な事例が証拠になるだろうと考える。

樽の丸太数本を両く立て、其の上端に口径一間ばかりの漏斗欣の物を取附け、主(中に藁屑を入れ置き、村の者多勢、子に/-\小石を結び附けたる縄に火を鮎じたるを持ち、之を廻はしながら下より投げ上げ、右の漏斗燃の中なる藁に火燃え附くを見て其丸太を倒す

 これは柳田翁の出身地の播磨の国の事例だ。しかし、翁の情報によれば西日本を中心にあちこちに柱松に関わる地名があり、行事がある。

どうしてこんな奇妙な行事になったかは柳田翁や折口信夫の論考などで推察されたい。

 

 

【参考文献】