2020-01-01から1年間の記事一覧
2020年はネット利用がコロナ禍により一段と進み、生活に深く浸透した一年だった。 リアルの代表的イベントであったオリンピックは延期を余儀なくされたことに象徴される。これは歴史的事件といっていいだろう。 主観的な印象では放送局は存在感をどんどん失…
井伏鱒二の『山椒魚』は国語の教科書にも採用されるなど知名度抜群の名作だ。 その発想の出処はチェーホフの短編「賭」だと著者自身語っている。原題も『幽閉』であった。チェーホフの作品は主人公が自ら「幽閉生活」を長い期間行えるかどうかという賭けが主…
幕末の遣欧使節の記録を読んでいたら、武士が初めて英文で印刷された自分の名刺に遭遇するシーンがあった。もちろん、江戸末期に印刷された名刺など日本人は持ち歩きはしなかった。アメリカではじめて名刺なる風習と出会ったわけだ。 むろん、今では日本のビ…
右手の優越というと二つの対称軸での左右の文化論となろう。ここでは三という数字の機能や組織、文化における顕在性を問いたい。三相交流などという送電システムというインフラの技術も含まれてくるので、対象を区切るのは難しい。 物理学での三法則は外そう…
諸星大二郎の漫画などでおなじみの饕餮(とうてつ)は殷の時代の青銅器に登場する怪物だ。殷とは中国古代の王朝である。 この奇怪な生き物を中国の古代人は怪物、人に害をなす化け物と考えていたかどうかはわからない。白川静に従えば守護霊だろうという。少…
日本の老人、とりわけサラリーマン人生を終えた男性の生き方は、ジトジトして湿っぽく、完全な不幸というわけでなく、いわばリンボに住んでいるような状況にある。 もともと、会社組織においてはそれなりのポジションを持ち、必要とされており、ほぼ生きぬく…
日本人の曖昧模糊にして風見鶏のような国民性や政治のあり方は、お隣の韓国人のそれに比較するととりわけ際立つ。彼らの政治運動の振幅の激しさは秋霜烈日にして襲爪雷斬だ。韓国の歴代大統領が政権交代で無傷でいられないのが、その証拠。 どうして、そうな…
アニメ「planetarian~星の人」を予備知識もなく観た。 なんの期待もなく暇つぶしの動画鑑賞であったが、絶品ではないにせよ掘出し物の映像であった。 淡い感傷に浸れるいい作品だ。 movies.yahoo.co.jp 破滅の淵に立たされている人類はあちこちに残るコロニ…
信頼できる統計的なデータという反駁しがたい事実にもとづいて、人類は成功している。繁栄している。将来への不安というのは根も葉もないことだとロスリングとロンランドが主張した『ファクト・フルネス』は昨年の話題となった。 10の思い込みを客観的なデ…