ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

バルザックの『サラジーヌ』

巨魁な小説家というとフランスのバルザックに指をおることにしているが、バルザックの『サラジーヌ』なる短編もかなり迫力のあるストーリー性があり、異様な運命に翻弄される人間を描いている。 物語を読んでいただければそれでいいのだが、その意外な結末は…

経済連鎖の行方

ギリシア破綻が迫っている。EU財務相との会議は事実上決裂したのが昨日。久々の国家のデフォルトが起きると市場は身構えている。 そうはいっても規模が知れているので世界経済への影響は限定的とみる識者は多い。だからこそ、EUはギリシアの国民投票というス…

全国野垂れ死にキャンペーン実施中

高齢化社会にふさわしい冠婚葬祭をクリエートする仮想カンパニー「メメント・モガリ」 同社の創業の大々的なキャンペーンは「人知れず誰にも迷惑かけずに野ざらし」を実施した野垂れ死にヒーローの永代供養を格安で行うというものだった。

猫の国を描いた三人の作家

アルジャノン・ブラックウッドと老舎、それに我が国の萩原朔太郎が、猫の支配する町についての奇妙な文学を残した。 萩原朔太郎の『猫町』はショートショートといってもいい長さ。「取りとめもないデカダンスの幻覚にしか過ぎない」と詩人は自嘲している。 …

詩から歌ができるなら、なぜ名詩集からの歌が少ない

これはヨーロッパ圏では異なる。昨夜のラヴェルやシューベルトなどは有名な詩人たちの詩を音曲にしているのだ。 例えば、『夜のガスパール』はラヴェルの名曲で名を残した。ベルトランという詩人はそれを感謝してしてもいい。シューベルトの歌曲はシラーのも…

ラヴェルの不愉快さが癖になるヴァイオリンソナタ

色彩感豊かなラヴェルがその曲想を思い切り押さえつけて、モダーンな突き刺すメロディに仕立てたヴァイオリンソナタ Violin Sonata No. 2 in G Major そう言えば、あの吉田秀和先生が「好きな曲」に入れていた。私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文…

イルカ漁へのグローバル干渉の件

毎度のことながら反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)は和歌山県のイルカ追い込み漁の伝統を根絶しようとしている。 イルカが絶滅危惧種であれば同調の余地もあるが、そうではない。自分が問題視したいのはシー・シェパードの面々が歴史的伝統というもの…

日本が南沙諸島侵略を批判する論理

かつて経済大国になりおおせた我が国もシーレーンと称して輸出入の貿易路を守る防衛戦略を東南アジアの海路に展開したことがあった。それでも、無理やり軍事拠点を他の海域に構築することがなかったのは幸いである。 ところが中国が南沙諸島で行っている行動…

サーカスの歌

昔のサーカスの印象を語るうえで、この二つのコンテンツは欠かせない。 そう、なんとも言えない暗く切ないものだ。『美しき天然』 そして、中原中也 『山羊の歌』より「サーカス」 幾時代かがありまして 茶色い戦争がありました幾時代かがありまして 冬は疾…