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雑草のような雑念と雑考

弱い紐帯の強さの歴史性

1970年頃の「転職の社会学」の先駆的業績にマーク・グラノベッターの「弱い紐帯の強さ」があります。当時のアメリカ社会において就職や転職が社会的関係の薄い人からきっかけを与えられるという指摘でした。
 換言すると新規性の高い価値のある情報は強いネットワーク(強い紐帯)より, 弱いネッ トワーク(弱い紐帯)によってもたらされる。強い紐帯とは家族や親友,同じ 職場の仲間であり、弱い紐帯とは知り合いの知人やちょっとした知人です。
転職サイトの一種でもあるLinkedInにもぴったり当てはまります。
ソーシャルネットワークの時代は弱い紐帯が圧倒的に活性化していると思いますね。
  ですが、1970年代はちょうど学生運動が一服して、伝統社会が壊れだした時期にあたることも注意しておきましょう。伝統社会では親兄弟の仕事を継ぐことが多かった。それが変化しだした時代の研究であることとボストンという大都市での調査であることです。

 もう一つは弱い繋がりって、数の上では強い繋がりよりも多いわけです。親戚や職場の関係より、友人の友人やどこかのサービス担当など僅かな接点がある人のほうが多いでしょう。とくに都会などでは弱いつながりが多い。そうなると数の多いところから働き口の情報を取得するのは不思議でもなんでもないのかもしれない。

 リースマンの孤独な群衆論もほぼ同じ時期に出ていることは示唆的ですね。