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雑草のような雑念と雑考

自然保護運動の二律背反

 人以外の生物の他種を保護するには、てっとり早い施策は人口減であろう。
人口減につながる経済的な効果は富の偏在、つまり、国家レベルでの富の差や階級社会的な格差の拡大であろう。
つまり、貧乏な人びとはそのまま放置するのが良いということになる。
これは自然保護主義者たちの価値観と異なることになる。他種の擁護はどちらかと言えば博愛的な、利他的な感情がベースになっている。その対象には他人も入っているからだ。

 だが、多くの人びとに機会平等な生活、つまり、飢えることなく、暑さ寒さに曝されることも、不衛生な環境に押し込めらることもない、最低限な生活なるものを提供するとどうなるか?
 欲望を留めることはできない。おおむね欧米の先進国並みの生活が満たされることを要求する。それにNOを言う権利は誰にもない。よって新興国はその実現を目指して産業を興し、生産を始める。
 その過程で人口も増大することになる。
 21世紀の人類はそうした状況に直面しているわけである。おまけに京都議定書やパリ議定書などは緩やかすぎて環境激変に効果があるかどうかもわからないままである。