老いて孤独死の日本に対して、若くして絶望死のアメリカというように両国の末期のスタイルを対比できようか。
アメリカの平均寿命はコロナ前の2015年から低下していた。それは若年層の自殺や事故による死亡率の増加や中高年での病死の増加などによる。
もう一つアメリカ人の肥満度の統計も予兆的で興味深い。1990年には12%程度だったのが、2010年には30%を超えてしまった。しかも、BMI基準は日本より緩いのだ。肥満は貧困層に多く出現するということも専門家は指摘している。
それにしても富と絶望の大国アメリカというのは20世紀には誰も予想だにしていなかっただろうに、どうして自由と希望の国が自壊したのだろう。
これは自分の偏見やヒガミで選んだ社会統計ではない。このようなアメリカの幻滅的状況はCovid19であからさまにされたともいえる。
今回の現時点(2023年1月上旬)でのコロナの感染数を比較してみよう。
日本 人口 1.257億 感染者数累計 3090万人 死者数 6万人
US 人口 3.319億 感染者数累計 10100万人 死者数 111万人
ここから、簡単な比率をだしてみる。
日本 感染者数の人口比 24.5%
US 感染者数の人口比 30.4%
あまり変わらない感染率だけれど、死者数の比はこうなる。
日本 死者数の人口比 0.05%
US 死者数の人口比 0.33%
つまり、コロナの死亡比は6.6倍である。また、コロナに感染してから死に至る率は実に日米での比は10倍である。若い国であるはずのアメリカは高齢化の日本よりウイルスに耐性がなく、医療体制も脆弱なのだ。
コロナ発生前の2019年10月にアメリカのある一流医学部をもつジョンズ・ホプキンス大はアメリカの世界健康安全保障指数でみた医療レベルは世界で総合一位だと発表していたそうだ。
これも、アメリカのおかれた社会的な状況のもたらした結果だ。
ということで日本での孤独死は決して望ましくないものだが、それにも増してアメリカの病巣は深く闇が深いのだ。
下記の参考文献のようなアメリカ人によるレポートや書籍が数年前から警告を発しているのだが、トランプ政権の登場や議会の分断などもあり有効な対策が打ち出せていない。あのオバマケアもいいのか悪かったのかわからない。
つまり、アメリカの民主政治や連邦議会制度が無力化しているのだ。
下記の話題のノンフィクションやルポが本件で特殊な事例や偏見による寄せ集めではないことを物語っているだろう。
財産形成に失敗した高齢者はアメリカでは定住できてなくて、Amazon配送センターのようなところで肉体労働しながらのトレーラー暮らしになる。けして夫婦でのんびりと大陸をトレーラーで周遊するなんてものじゃない。
日本では団塊の世代は裕福なのだが、アメリカではそうでもないらしい。リーマンショックでダメージを受けた401kの結果なのかもしれない。