日本書紀には 童 謡(わざうた)というものが登場する。
国の異変の前兆となる意味不明の流行歌のようなものだ。斉明天皇記6年12月のものが有名である。
まひらくつのくれつれをのへたをらふくのりかりが
みわたとのりかみをらふくのりかりが
かうしとわよとみをのへたをらふくのりかりが
斉明天皇の御代は白村江の敗戦があり、勝ち誇れる唐や新羅の侵攻が現実味をもつなど時代が不安定な様相を帯びていた。
さて、21世紀のネット文化の時代になった。
まさかのトランプ大統領の誕生である。その直前に流行ったわざうたは「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」ではあるまいか?
なるほど意味明瞭な謠ではあるが、何も伝えてはいない点では意味不明すぎる。いきなり登場してギネス記録となった。
こうしたノンセンスな流行歌の増殖は人心の揺らぎの指標になっているのかもしれない。
ハロウィン時期の「道化」への異常な恐怖心が大衆のあいだに伝染したのも思い起こされる。何か得体の知れないものへの恐れが人びとの心のそこに淀みだしている。
Trump-upple clinton-downというメッセージが暗喩されていたのであれば、さてもさても面白いのだが....。
第二次世界大戦前夜に起きた火星人パニックを思い出す。
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