ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

イスラム国家だけが問題ではない

今度はチュニジアで無差別テロが起きた。ジャスミン革命の行き着いた混迷の先には若者層の過激化が待っていた。
 先のフランスのシャルリー・エブド襲撃テロ事件でもそうだが、行き場の無い若者層は過剰なまでの矯激さに至る。先進国でもそうなら、先進国を目指して挫折した国でもそうだ。
 話題にもならないが、マンデラ民主化を進めた南アフリカは、いまや未曾有の犯罪大国になった。
 アメリカでは銃撃による市民間の殺人事件は日常茶飯事であるが、ここにもその同じ問題が潜んでいる。
 いったん、教育をうけても産業社会に受け入れられない事態が、あちらこちらで発生し、経済格差を生み出す。これまでは南北格差といって国家間の経済的な富の偏在だったが、それが遍在化した。富の偏在の遍在化が進行中である。
 ピケティは来日にして警告したが、若者層はこの国で虐げられだしている。それはまがうことなき真実だ。
 富の偏在はこの国内にもある。しかし、そうなると若者層が少ないことは社会の安定化につながることになる。
 『機械との競争』などで指摘されたテクノロジー進化が就職口を奪い、それも比較的容易な知的労働を職場から追放する傾向は続くだろう。ますます若者層は不利になるのだ。排除された若者層は反逆に走る。それはどの国に住んでいようとどのような教育を受けていようと無関係だ。
 皮肉なことに少子化はそうした不安定化への短期的処方ではある。