あの有名なお掃除ロボットのメーカーが軍事産業であるのはあまり認知されていないようだ。
かの殺人兵器、つまり平気で一般市民を巻き添えにするような殺戮用の機械を軍に提供している。
これをどう判断するかは各人によりマチマチであろう。企業なんだから金儲けのために割のいい軍需に対応すれば、投資もしやすというエコノミスト的な論断もある。
現にこのメーカーの抱える知財はグーグル並という。
ガリガリの倫理派ならば、殺人機械を作成する同じ人間が家庭用サービスを提供する機械を設計するなんて許されないと公憤するであろう。
どうも自分はどちらかと言えば倫理的だろうと思う。SF的倫理派であるとしておこう。
SF的というのは論拠がポヤポヤしているからだ。つまり、SFに原理をおいているのだ。
アイザック・アシモフの作品『I Robot』(邦題:我はロボット)がこの企業の名の由来であろうし、そのロボット工学三原則は同社の信念に近いはずだ。
wikiからコピペしておく。
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
だが、軍需産業であることはロボット工学三原則にどう贔屓目に考えても、矛盾している。人間というのがアメリカ人という定義ならべつだろうけど。
偵察ロボットでも監視ロボットでも軍事ロボットは間接的に人に危害を加える。ロボット工学三原則に反している。
それ故、この企業は可笑しい。
もし、ソフトウェアに軍事ロボのモジュールが使われたり、混入したりしたらどうなるのだろうか?
われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
- 作者: アイザック・アシモフ,小尾芙佐
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