トロント、サンフランシスコ、ロスアンゼルス、シアトル、ロンドン、ニューヨーク、フィラデルフィア、ホノルル。これらは、ここ数年で路上生活者の急増が報じられた都市の一部だ。
原因はわかっている。強烈なインフレーションと都市部の不動産価格の急伸だ。
ホノルルを除き、いずれも大都会だ。景気好調あるいは意味は違うがGDPが増大しているとウハウハの政治家と金持ちの国に属していることだろう。
また、殺人などの犯罪事件で話題になるのはアメリカの都会が多いのは、周知の事実だろう。
まるでバットマンの生まれた架空の町「ゴッサムシティ」のようなありさまではないか。
10年ほど前に亡くなったジェイン・ジェイコブスはなんというだろう。彼女は大都市における歩道とそのコミュニティの重要さを強調した思想家だ。彼女の主張は多大な影響を与えたというのだが、このアメリカの現状を見たら、切歯扼腕するだろう。
1960年代にNYの都市開発計画での社会論争&闘争のイデオロギーを提供者した人物でもある。自動車を優先する都市開発へNoを突き付けたのは先見の明があった。
だが、彼女の最後の著作は『壊れゆくアメリカ』だったのは、象徴的だ。