ひところ消費大国アメリカの象徴でもあった(巨大)ショッピングセモールは衰退の一歩を辿っているそうだ。
1980年代2500もあったモールは今や700なのだそうだ。あと10年で150まで減少すると専門家は語っている。
自分も1980年から90年のショッピングモールには何度も足を運んで、商品と商店の壮大さに圧倒されたものだ。
もちろんネットショッピングや通販の浸透と拡大によるものである。
モールがご近所から消えるとどうなるか。大半のアメリカ人の住まいには商店街などはありはしない。ぶらぶら歩きながらウィンドウショッピングするのは大都会か、観光地でしか味わえない贅沢になってゆくわけだ。
ていうか、もうそうなっているのだろう。
大人はそれでもいいだろう。しかし、十代前半の未成年を含む子供たちにとっては、どんなものだろうか?
おもちゃ屋や文具店や本屋から隔離された幼少年時代や青春時代というのは、デジタルネットワーク以前からの生活を知っているものからすれば、「牢獄」のように思えるのだ。
欲しい商品、使いたい商品、知りたいこと、すべてはディスプレーの向こう側にしかないのだ。
楽観論者はメタバースやWeb3.0があるから十分だと指摘するかもしれない。それもそうだが、やはり腑に落ちないのだ。
日本の子供たちは、まだ、幸せだ。トイザらスがアメリカの消費文化の遺産として伝来し、継承されているのだから。