ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

専門書における岩波書店のパワー低下

 ここ数年間の岩波書店の専門書のインパクトがない。たまにいい本が出てもいやに高価であったりする。それが読者を遠ざける。5000円を超えるし、8000円などというのも珍しくない。
 この価格帯で大学生が買うことは、まずありえない。科研費など大学の研究予算が低迷するなかでこの値段だと研究室でも購買をひかえる。みんな中古本を買うのではないか。
 岩波書店がこんな状況であり、他の出版社も似たようなものであろう。
なもので、一部の有力な大学は自力で出版に力を入れている。
 京都大学名古屋大学などの専門書が目立ってきているような感じがする。それ以前からある東京大学、法政大学、東海大学東京電機大学、玉川学園などの各出版部もそれなりに頑張っている。
 電子出版もいいけど、書架に並ぶ紙の本にはまだまだかなわない。

【追記】重要な例外があった。
 学術系文庫だね。講談社筑摩書房角川書店新潮文庫中央公論新社は埋もれた学術書を文庫化するのに熱心なようだ。これはこれで一つの行き方だろう。