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雑草のような雑念と雑考

暗殺天使 シャルロット・コルデー

 女戦士の歴史的代表というとシャルロット・コルデーCharlotte Corday)が最初に思い浮かぶ。フランス革命の中盤以降、ギロチン刑の支配する恐怖政治がフランス全土をおおう。
 山岳派のロビスピエールと並ぶ「人民の友」マラーはかつての支配層である王党派だけでなくジロンド党など革命初期の同志を含めて敵視し、革命裁判所送りに精を出していた。
多くの政敵は断頭台に送られることになるが、そんな抑圧的世情に憂いと反発を感じた一女性がシャルロット・コルデーである。
 そして、マラーの暗殺は首尾よく実行された。
 思想においても行動においても暗殺は単独でなされたのは驚きである。
現行犯でその場で逮捕され彼女は悪びれることもなく尋問に答える。
 不幸にしてアントワーヌ・フーキエ=タンヴィルという異端狩りの検事という人物が革命裁判所には控えていた。
 その裁判の記録はいまも参照可能であり、読むものの空想をそそる。


 彼女の謹直誠実さは敵すらも魅了した。裁判長モンタネもその一人であり、精神異常者に仕立てようと試みてアントワーヌ・フーキエ=タンヴィルに抵抗する。暗殺の日は1794年7月13日。
判決は同月17日。そして、同じ日に処刑が行われた。
 有名な死刑執行人サンソムの手のものにより断頭台で処刑された。芳紀24歳だった。

 女性暗殺者がヒロインの『ニキータ』なるフィルムを生み出したお国柄というべきであろう。

【参考書】

フランス革命期の女たち(上) (岩波新書)

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ニキータ [Blu-ray]

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