傀儡子は近世まで人形まわしをしていたようだ。明治期の俳句にもある。それに関連して日野巌『動物妖怪譚』にわずかな言及がある。
この書によれば愛知県碧海郡新川町に「くぐつ村」があり、傀儡子の子孫らしき人びとが住まうとある。地元では「市古」という姓が多いと書いている。
イチコとは巫女のことで漂泊民の職種でもあるのは偶然ではないだろう。もはや生業は異なるともあり、人形回しをしているわけではない。
また、近くの碧南市には「愛知県 碧南市 久沓町」 久沓町=くぐつまちがある。郵便番号447-0065である。
だから、愛知県の祭りの山車には精巧なつくりの人形が多いことを考え合わせると何かしらの縁のようなものがあるのであろう。
今でもその地名が残るのは興味深い。
- 作者: 日野巌
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: 岡正雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/11/16
- メディア: 文庫
- クリック: 31回
- この商品を含むブログ (8件) を見る