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雑草のような雑念と雑考

非正規雇用者のための教訓

 ジョナサン・スウィフトの名著『召使の教訓』を現代日本の非正規雇用者諸君むけにアレンジして贈る。
 社会的不公平と会社的不正に対抗するには自ら防衛力を磨かねばならないことがこの200年前に書物はハッキリと主張している。
 諸君らは不公正さを批判する過激なイギリス文豪の智慧を活用すべきなのだ。

総則
 上司の呼んだ当人がいなければ誰も返事などしないこと。
代わりを務めていたらキリがない。上司を甘やかすことはない。
呼ばれた当人さえその時に来れば、それで十分と労働基準局は認めている。

過ちをしたら、それを認めず鷹揚にかまえ、自分こそ不十分な社員挙行くの
犠牲者という態度を見せつけること。そのうち上司が折れてくる。

 同僚に不正があるのを知っていても会社には黙っておけ。おしゃべりで
信頼出来ない奴という風評がたつのは良くない。
例外がある。それは、上司に媚びへつらう者、それはみんなからの嫌われ者であろうが、この場合は、有る事無い事をその当人のせいにするのは賢明なことである。

 レジ係も事務も庶務も秘書もオペレータも、その他会社の金銭支出に関係のある非正規雇用者は、会社の儲けが自分の労働の対価であるように振る舞うこと。
 例えばレジ係は釣り銭を間違ったら、それをすぐ修整する必要があるのは
客がクレームを言う時にだけにする。自分の腹が痛むわけではないし、釣り銭を
確認しないのが悪いのだ。
 事務も庶務も秘書も受付も、同じ筆法でいく。誰も気付きないことで余計な仕事を増やさないことだ。人のミスを指摘しないこと。とくに非正規雇用者であればお互いの立場を尊重し、ミスは正規雇用者の責任になすりつけるようにしなければ不公平であると心得てよう。

 お客さんの前で上司に叱責された時、親切なお客さんが謝ってくれることがある。
 その時は自己弁解の資格があるという証拠で、叱られた時はいつも上司が間違っていると以後は心得ていいだろう。事の次第を伝えれば同僚が有利な解釈をしてくれるのは確実なのでその考えが正しいのは胸を張って主張できる。
 前に書いたように叱責されたときは自分が被害者だということを無愛想な表情と散漫な受け答えで思い知らせるに限る。
 上司が「態度が悪い」というなら、以前の上司の間違いと同僚の解釈を伝えて、上司が正しいとは限らない証拠を指摘すること。
 それ故、常日ごろから上司のミスを同僚から収集するのが自己防衛のためには欠かせない。