昔のヒト、例えば江戸時代の町人などは、河童をニホンザルと同様に、河川に生息していると考えていたろう。であるが、天狗はどうだろうか? あるいは龍をニホンザルやカモシカと同じように生息していると見なしていたのだろうか?
言い換えると、幻獣や妖怪と野生動物に境界線を引くことはできたのだろうか?
そのような明確なカテゴリ分けは江戸の庶民は考えたこともなければ、したこともなかろう。
であるが、無境界とも言い切れないのではないか。
殊更に、質問したいのは、生物たちへの社会認知だ。ヒトと四足は区別を立てていた。だが、河童は四足だろうか?人を驚かす、化かす妖怪は動物と異なるものなのだろうか?
化け猫は飼い猫が古びると化成するという。つまりは動物と妖怪は大きな区別はなかったのではないか?
柳田国男全集〈10〉稗の未来・国語の将来・孤猿随筆・食物と心臓
- 作者: 柳田国男
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/04/01
- メディア: 単行本
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