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雑草のような雑念と雑考

癌ビリーバブル

 病の帝王「がん」の正体を知るにつけ、その禍々しさは生命の本性に根をもつことに驚嘆と脅威を覚える。
がん遺伝子の活性化から全身転移まで、その分子的メカニズムは実にうまく出来ている。正常細胞とは立場を異にし、自己中心的分派行動をとる細胞群になる。身体の秩序に異を唱え、自己増殖だけに専念する反権力的組織とも言える。

 それが覚醒するタイミングは再生遺伝子に過負荷が加わったり、物理的化学的な損傷を受けたときだ。ウィルスも関与する。しかしながら、一番の危険な因子は「加齢」であるという。
 個体の排除という点では折り込み済みなのだ。つまりは、がん遺伝子の機能自体、DNAに本来備わっている性質と言ってもいいのではあるまいか。