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雑草のような雑念と雑考

オーム真理教暴走と甘粕

 戦後の組織的凶悪犯罪としてオーム真理教は世界的に名を馳せた。大量殺人を目論だこともさることながら、無辜の子女を殺害するという点でシャロン・テート殺害事件も慈善行為に見えるほどの卑劣な行為を為した。

 その点では麻原彰晃チャールズ・マンソンをはるかに凌駕した。だが、これは文明開化後の組織的犯罪としては唯一無二というわけではない。

 ここから老いの繰言であるが、本題だ。

 あの戦前の大杉栄とその親族の虐殺事件も卑劣なことでは人後に落ちない。
1923年のあの事件は日本人として残念至極な行為だった。
 例の「甘粕大尉」の仕業である。
 アナーキスト大杉栄を拷問死に至らしめたくらいであれば、過剰な職権乱用くらいでもいいのだが、女子どもを殺すのは軍人の名折れであり、恥辱であり、鬼畜的蛮行であった。
 理性があった分、「甘粕」は麻原彰晃を超えている。
 別に伊藤野枝が小説家でもあり、奔放な生き方をえらんだ反抗的な女性だから憤りを感じるというわけではない。
 まことに帝国軍部の一大汚点というべき行為であり、これが第二次世界大戦のあの国民の生命軽視の愚劣な戦争に流れ込んでいく宿命を予告していたと思うのだ。