ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

イベント・ホライズンを背にして

 道の行方、その先の街並みや田園の風景がどのよに続くのか、心がそそられる。そんな年ごろというのが過去にあった。道の行方が、未知への好奇と期待と一体となっていた、そういう気分を確かに感じていたのだ。

 事象の地平(イベント・ホライズン)が自分の前方に開けていたと表現してもいいかもしれない。

 だが、いつの間にか事象の地平は後ろに、それもはるか遠くになってしまっていたわけだ。それがエージングというものだ。

 成長するとは事象の地平が拡大してゆくことだ。あるいは希望があるとは豊饒さが地平の彼方に約束されていると言い換えもできるだろう。

 やがて、地平が狭まりだし、見えていたものが喪失するとき、その精神は老いたというべきなのだろう。

 


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