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雑草のような雑念と雑考

どうしてこうも迎合的政治家が増えたか

 大衆迎合的な政治家をポピュリストというようであるけれど、どうしてこうも人気取り的な政治家が増えてきたのだろうか?
 フィリピンの大統領然り、イギリスのEU分離を主導した政治家然り、東京都政を牛耳る都知事然り、極めつけが次期アメリカ大統領だろう。

 彼らの特徴をまとめよう。
1)在来の政党路線とは一線を画する。保守党でもなく革新でもない。民主党でもなく共和党でもない。
2)場当たり的な政策を口にする。それは既存政党のレールから外れた物言いであるため、その影響を斟酌しないのはもちろん、まったく財政的な裏付けはない。民衆の潜在的欲望に心地よい響きのレトリックを並べる。
首尾一貫性のない言動に周囲は惑わされるのが落ちだ。
3)彼らは直接的に民衆に働きかけている。それが強みだ。
4)よって、固定的なエスタブリッシュメントと対立的な政策をとることになる。換言すれば、特定の少数者を悪者に仕立てて、国民の反感を煽るのが主な政策(とはいえなほど低次元だが)だ

 流動的な民衆の反応をみながら手綱さばきだけで政治を乗り切ろうとするのが特色だといえる。これは後期民主政で生まれてくる僭主制に近いものだと言うほか無い。
 例えば、古典期アテナイペリクレス亡き後のクレオンなどが思い出される。