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ISと「山の老人」アサシン教団

 イスラミック・ステートは11世紀頃にペルシャで興隆したアサシン教団=イスマーイール派の一分派に似ている。
 イスマーイール派イスラム教のシーア派の枝分かれの一つである。ハサン・ピン・サッパーこそが暗殺者を組織して、敵対勢力を震え上がらせた最大の指導者であった。
 暗殺者は一種の狂信者である。おそらくは麻薬の一種により昏睡状態にされた若ものを「秘密の園」というべき場所に連れ込み、数日間放蕩愉悦三昧に浸す。再び、昏睡させられた若ものはハサンの前で標的を暗殺することを誓う。さすれば「秘密の園」に再生できるのだと信じこまされる。
 実は上記の伝説はマルコポーロによりマコトシヤカに『東方見聞録』に記されている。
 本当のところはわからないが、感じやすい若ものを洗脳したことは間違いあるまい。
 イスラミック・ステートも同様なマヤカシにより若ものを信じこませているのは同様であろう。ただ、イスラミック・ステートはインターネットを介して遠隔操作することが違いといえば違いだろうか。

 麻薬(ハシッシ)の作用で洗脳させることがアサシンの語源になったとされている。マルクスの「宗教は麻薬である」を地で行くのだ。
 21世紀になりこのような中世的な信仰形態が中東において力を持つようになったというのは、歴史が逆進しだしたような不吉な予感をもたらすのだ。

 ちなみに、この暗殺教団はモンゴル帝国という巨大な軍事勢力の前に踏み潰されていく。国家的な軍事力には敵うすべもなかったのだ。



 暗殺教団の城跡(Alamut Castle)