フランスの思想家のラトゥールの言説をメモる。
計算中心は資本の中心である。そこには世界中からかき集められた刻印/情報がタブローにはめ込まれていく。
グローバル・ネットワーク(actor network)はその周辺を拡張して地域を支配・管理・搾取しながら、富と情報の刻印(inscription)を取り込む。つまり、計算中心が周辺に対して圧倒的な生権力でアドミニストレート/マネジメントするのが、グローバル化の本質なのだ。
計算中心では何が起きているか?
新種が学会に承認されること、知的所有権が統治され、特許が認められること、企業、株や国債の信用度や通貨のレートが決められる。
博物館や株式市場、学会や議会、地図制作会社や生物学者の管理ノートだけではなくサーバーが置いてあるデータセンターも計算中心であることは言うまでもない。
登記された情報は社会的なアクションの対象になり、中心から周縁にマネジメントの触手が拡散する。市民には追徴金が、絶滅危惧種には保護の網が拡散する。
人間と非人間とのハイブリッドなネットワークが「グローバル・ネットワーク」である。その思想史的背景はデカルトの二元論だという。それも十分に近代化されていないマヤカシの二元論だとラトゥールは言う。
自然と社会、それに応じる科学者と政治家がその二元論を演じる。
- 作者: ブルーノラトゥール,Bruno Latour,川村久美子
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2008/07/01
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