ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

地球における人類の位地

 科学技術万能ではないことを体得してきたのが、この百年だと言える。
1945年のヒロシマナガサキ核兵器が戦争で一般市民に使用される、そこが起点だった。
 大気汚染や砂漠化から森林破壊と連なる自然破壊は押し寄せる地球温暖化となるまで膨張した。エネルギー問題は、チェルノブイリ核惨事が2011年の福島第一原発事故になる。
 しかし、科学技術に依存した経済成長政策には、いかなる変更もなされていない。地球温暖化も科学技術に依拠した対策が効くと盲信されているからであろう。
 地球上で繁栄している人類はいまや頂点に達しつつある。その指標は人口だ。
人口が増大していれば如何に自然破壊だ、エネルギー危機だといっても、種が繁栄していることにはかわりはない。
 繁栄しているとしても衰退の兆しは漂いはじめている。地球温暖化は人類の熱的死を示唆している。
 使うほど気温を上昇させるエネルギー、PM2.5のような広範囲な大気汚染、食料生産の停滞と水不足、様々な疫病の再発(一時は制圧していたはずの病気がよみがえる)、国内外の経済格差とスモールスケールの紛争の多発。どれも一筋縄ではいかない問題ばかりだ。

 人類の地球上の地位を振り返る必要がある。
地表に拡散した人類は南極以外の大陸に確保たる生態学的優位性を獲得した。人類に生物的な意味で天敵はいない。その範囲はあくまで地表だ。地球半径のサイズ0.01%に満たない表層圏で繁茂しているだけである。

繁栄ほどの衰運はない

 この表層圏は繁茂しすぎた種に対してバランスを喪失してきたというのが、地球温暖化だ。このような大気の底、大地の上での熱収支や大気組成のアンバランスはどのような変動を地球全体に及ぼすか、未知数である。
 火傷した人体がヒフ呼吸不全で死に至るような、そうした未知のプロセスが地球全体にあるかどうか、不明である。
 古気候学はいくつかの大気変動や熱気象のマクロヒストリーを解き明かしたが、それはほんの一部でしかない。急速な大気環境の変異は有り得るのはわかっている。
 大気と海洋の関係は除々に解き明かされてきた。現在の学説では、大気と海洋の変動が火山や地震活動とは切り離されているが、それうではなくなるときが来るかもしれない。
 隕石や宇宙からの放射線も大気変動と関係があるという。巨大な隕石の粉塵は「核の冬」をもたらすし、太陽からの磁場は宇宙線シャワーの量を左右するらしい。それは雲量に影響する。

 現代文明とその人類はがん細胞に類比される。とめどもなく増殖し、繁栄した場所の自然的環境は破壊しつくされ、資源は収奪される。地球は「抗癌剤」を服用しだしているのだろうか?

 となると繁殖しすぎた種はその生存環境のホメオスタシスを破壊しつつあり、脆弱になったその環境は、来るべきときに巨大な地殻変動や空からの飛来物による一突きで、相互依存の高い経済活動=文明維持活動の基礎を灰燼に帰しめることになるのではなかろうか?