秋田県男鹿半島の赤神神社は行ってみたい。徐福伝説が伝わるからというものもちろんのこと五社堂というのが、いかにも風変わりなのだ。
御祭神は瓊瓊杵尊であるが、伝承では「赤神と称した漢の武帝」を祭ったとある。それよりももっともらしいのは円仁の弟子筋が創設したという言い伝えだ。というのは、比叡山には陰陽道の祖神とされる中国の神 泰山府君を祀る赤山禅院(せきざんぜんいん)があるのだ。
単なる「赤」つながりではない。
基本的に赤神はなまはげのような外来神を指すと想われる。折口信夫の異人だ。そのなかでも赤神は道教系の渡来神に関係するのではないかと推測される。
そして除福は道士であったのだ。徐福との結びつきは後代、江戸時代以降なのだろうが、それ以前に道教と神道の習合が起きていたのは事実であろう。
五社堂の外観はこちらもある。
http://www.asukanet.gr.jp/tobira/jofuku/jofuku.htm
慈覚大師円仁は中国は唐の時代に長期にわたり密教を学ぶために留学した。それが廃仏に遭遇して自らも還俗を余儀なくされるという苦難にあう。会昌の廃仏だ。
『入唐求法巡礼行記』は世界史的な価値があるとライシャワーに称賛された紀行文だ。彼は栃木県(いまの壬生町)の生まれであり東日本に縁が深い。弟子筋に東北行脚するものがいても不思議ではない。
公式ホームページ
http://www.fun-ms.com/akagami/
日本の道教遺跡を歩く―陰陽道・修験道のルーツもここにあった (朝日選書)
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