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雑草のような雑念と雑考

朝鮮史の憂鬱

 金素雲の『朝鮮史譚』を読んだ。一読、暗澹となる。重苦しい歴史だ。高麗が滅び李氏朝鮮の末までの外史をエピソードで綴った名著だが、重いぞ。
 高麗が滅びるイキサツも李成桂が自国を築く苦難もなんと不明朗なのだろう!
 これが故に、李王朝は見捨てられたという指摘は正しいだろう。儒教一筋の頑迷固陋な文化になったのもそのせいかもしれない。
 日帝支配の60年といい、朝鮮戦争といい、南北分離と対立といい、いやはや、苦難を背負い込んだ民族なんだ。
 現在の経済的繁栄はようやく訪れた春爛漫なのであろう。


朝鮮史譚 (講談社学術文庫)

朝鮮史譚 (講談社学術文庫)