ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

神保町の変貌 混沌から秩序へ

 この一、二年での古本屋街の変貌は激しい。
大震災前後、ほんの1年くらい無沙汰をしていただけで、行きつけの店が姿を消しているか、業態を変容させてしまった。

 東京堂書店はカフェを併設して、本屋の佇まいではなくなった。なんだろうな、このオシャレな店は、すずらん通りにこんなのなかったよな、と思えば、硬派の書店であったはずの東京堂書店だ。

 その隣にあった、硬派と軟派の両刀使いの古書店は、滅失していた。名前さえ、思え出せそうにない。芸術新潮バックナンバーと海外文学書が揃ういい店だったのに。

 文庫カワムラに寄るのも20年ぶりだ。いやいや、なんと古さびた品揃えだろう。かつての多様性の輝きは消え失せていた。
 世界古典文庫改造文庫なんて、どこにもないようだ。

 岩波専門の山陽堂書店は片肺飛行となっていた。無理もない。岩波のファンの数は、日々低下しているのだから。しかも、ネットでの使い回し(回転率)はリアル古本屋経由をはるかに上回るのだ。

 新刊1割引の長嶋書店は普通の古本屋になったのは、以前失望感を込めた回顧ブログを書いた。
 それもこれも、この一年くらいの出来事のようである。神保町の醍醐味は古書店の多様性にあるのだが、それは激減してしまった。なにかしら発見があるトポスは混沌があるのだが、もはや秩序が支配する場所に成り果ててる感がある。