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雑草のような雑念と雑考

キューブラー・ロス 苦難の生涯

 ホスピスケアの創始者の一人エリザベス・キューブラー・ロスの晩年は、少々寂しいものがあった。
 彼女は公的な生活から引退してアメリカの片田舎で彼女の思想の実践の場となるターミナルケアの施設をはじめる。そこで直面した地元民との軋轢。エイズ患者などへの白眼視が原因だったらしい。
 放火によりその施設は放棄をやむなくされる。日本人のわれらにはそうした迫害は理解できない。あれほど果敢に人々の死を見とリ、したがって生を充実させる活動に身を捧げたのにね。
 95年に脳梗塞で療養生活を余儀なくされる。そこからが彼女自身の死との相克が始まるのである。
 『最後のレッスン 〜キューブラー・ロス かく死せり〜』というドキュメンタリーがその苦悩を生々しく伝えていた。
 死との和解は彼女にとっても難しいものだったようなのだ。