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雑草のような雑念と雑考

レイン 孤独な精神医学

 ヒューマニズムを体現したような精神医学者は、もうはやレッドデータブックに記載される種族なのだろう。精神病の患者の人格と正面から向きあう治療はレインの死去とともにうせてしまったかのようだ。
 レインは、そうした種族の最後の戦闘隊長だったといえよう。


 残念ながら精神薬理による投薬治療が全盛の業界であるので、古さびたものの好事家以外はレインなど見向きもしない。もはやF2F治療の時代ではないのか。
 ここでは、晩年のグレゴリー・ベイトソンが熱心に討議した親友がレインだったことを記録しておくに留めるとしよう。


レインわが半生―精神医学への道 (岩波現代文庫―学術)

レインわが半生―精神医学への道 (岩波現代文庫―学術)