いつの頃か、アメリカSF紹介のリアルタイム性が減速するようになってきた。
その証はヒューゴ賞受賞作が一向に翻訳されなくってきた。
2010年代まではそんなことはなかったと思うけど、例えばチャイナ・ミエヴィルの『都市と都市』は2010年の長編部門の受賞作だが、このあたりを境に紹介が疎らになってきているのではないか。
そう、この作品自体も緊張感とプロットの錯綜とストーリーの断続平衡が、平々凡々な自分のような和風SFファンには、肌が合わないと思われた。
N・K・ジェミシンやアンレッキーは創元で連続的に翻訳されているので、そうは問屋が卸さないのもかもしれない。でも、これは分かりやすいストーリーのストレートな作品だからだろう。
日本SFの方が元気があるのか、それとも別の要因か?