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雑草のような雑念と雑考

生物分類のリアリティ

 正確には「生物系統」のリアリティなのだけれど、種の発生を系統樹で理解するのは正しいのかどうかを問題としている。
 種を明確に分けるのは「不稔性」ということになり、それが種を分離条件となるのは論理的には妥当なんだろう。DNAレベルでは遺伝子配列が二つの種間で違いが大きくなりすぎて減数分裂できないほどになるのだろう。
 分子進化の不可逆性というのかな。変化は蓄積される一方であり後戻りする確率は限りなく小さいというべきか。
だが減数分裂できなくなるDNAのギャップを逐次的に再現した実験があるわけではなかろう。
 あくまでこれは理論的な見通しだ。分岐点などは理念でしかないのではないか。
 仮にそれが起き得るとしても、系統樹は種の分岐の素描ですらない可能性がある。
系統樹グラフ理論でいる「木」に相当する。分岐はあっても分岐した先での融合はないのが「木」だ。
 しかし、ウイルスによる遺伝子の後天的組み換えがあるのではないか、つまり、種の融合が起き得るのではないかということだ。

 三中信宏の『系統分類学』を拾い読みしながら夢想しただけであります。