FIFAの汚職といいVWの不正ソフト問題といい自分に甘く利権を貪るヨーロッパ連合の構図をさらけ出した一年だった。
国家をまたがる不正、非正義であったのが象徴的でもなるが、気にかかるのは両方とも内部告発でもなくヨーロッパの司法組織の摘発でもないという自浄力の欠如を示している点である。
つまり、アメリカが告発するかたちであったのも特色といえる。いつものように国際的な存在感のない日本はただの傍観者だった。
アメリカは自己の利益を損ねるものに迅速かつ果敢に振る舞った。
類似な事態はほかにも伏在しているのだろう。ヨーロッパはフェアな顔つきをしながら世界の規律を先導するという立場で君臨してきている。それが大きく揺らいだ事件だ。