ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

少子高齢化と安全な国

目下(2015年2月28日)、川崎の少年殺人事件が注目を集めている。2013年6月の広島の16歳少女の集団リンチ殺人事件は21歳の男と、いずれも16歳の少年2人と少女3人の計6人を死体遺棄容疑の告訴となった。
 耳目を集める若年層の殺人事件ではあるが、若者の犯罪は殺人も含めて、このサイトにあるように減少基調にある。
理由は単純で少子化によるものだ。これは二重に犯罪減少に影響することを指摘しておこう。まずは、母数=若年層の人口が減少したことによるもの。
 それに忘れてはならないが、行き場がない若者が少なくなることも含まれる。4人、5人と兄弟が増えれば一人ひとりに対する教育や躾けのムラがうまれる。非行にはしる確度も高まる。子どもが精神的に不安定であっても少子化家庭ならケアしやすい。犯罪に走る圧力が減少するのだ。

 その典型はニューヨークの犯罪減少であると指摘したのは、レヴィッド&タブナである。妊娠中絶がいち早く合法化したのがニューヨーク州なのだ。彼らの分析では、州ごとにデータを比較すると犯罪発生率との明確な相関がある。
 例の割れ窓理論は、どうやらアメリカの犯罪に関しては疑問符なのである。

ということで、日本が世界でも例を見ない安全な国であるのは、犯罪予備軍である非行化した若年層が少ないことが大きな要因であるのは、かなり確かなことだろう。

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]