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雑草のような雑念と雑考

ラッセル・ホーバンの『ボアズ=ヤキンのライオン』

 中年男の家出小説という荒んだストーリーを夢物語に仕立て上げる人生の機織り職人芸を演じるのは
アメリカの詩人小説家ラッセル・ホーバンであります。
 なるほど、マイナーなSF作家かもしれないが、この作品は今なお多くの中高年オヤジにビジョナリーな気分をよみがえらせくれます。
 2011年にラッセル・ホーバンは鬼界に去られた。それは残念ですが、ボーバンはこの小説を現世に贈ってくれました。
 地図とライオン、朝もやと階段、父を探す少年と自分を見失う更年期障害の中年男。もうこれだけで、過去を夢見る力を喚起させてくれるではないか!?

ボアズ=ヤキンのライオン (ハヤカワ文庫 FT (69))

ボアズ=ヤキンのライオン (ハヤカワ文庫 FT (69))