ランダムなメモランダム

雑草のような雑念と雑考

山本太郎氏の行動が物語るもの

 園遊会で直訴状を天皇に手渡した山本太郎氏の行動が話題&問題となっている。
いろいろな見方があるであろうが、田中正造翁の時代と行動とはまったく違うことは、明言しておこう。
 田中翁は窮民の状況をつぶさに調べ、その苦衷と被害を把握した上で帝国議会で再三再四、鉱毒垂れ流し問題を糾弾したのだ。その事実に基づく理詰めの議論は人びとに鉱毒被害とはなにかを認識させ、政府がいかに人民をないがしろにしているかを明らかにするのに力があった。
 議会における弾劾と抗議が無効となった時に議員を辞し、在野の人となりて天皇直訴に及んだのだ。
 それに対して山本氏はどうか?
 議会で論議することもなく事実を調べることもなく、単にネットと周囲の人びとの声に駆り立てられただけと第三者には思える。
 これは直情的にすぎる。
 山本太郎氏の直情径行的行動は反原発派の行動原理そのものずばりだというのが、自分の感想だ。反原発そのものについては語り尽くすのは簡単ではないので、ここでは飛ばす。
 山本太郎氏のアクションには「理」がない。情緒が先行してしまって法治国家の原則なるものが氏の頭脳からかき消されているかのようだ。実際にこうした人物が反原発派の代表であるというのはなにかを物語っているのだろう。