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雑草のような雑念と雑考

金持ちは長財布

 そう、そうなんだな。いわゆるリッチな大人はいかした長財布を持っているのはなんとはなしに、気がついてはいた。
 だけれど長財布を持てばリッチになれるわけでもない。カタチから入れという芸事もあるが、金稼ぎはカタチから入るもんでもあるまい。
 自分は金持ちを羨ましいとは思うが、どうも本質的に相容れない存在だとも思う。なにせ、稼ぐことそれを増やすことが日課というか、存在理由になっているから。
いや、それでは平たく言いすぎだろう。
 ラスキンの金貨もちの寓話を引いておくべきかもしれない。

 金貨を山ほど抱えた船客が嵐で沈みそうな船に不運にも乗り合わせた。船長はとうとう乗客に船を見捨て海に飛び込むように指示した。船に居残るより助かる可能性がある。
先ほどの船客は金貨を山ほど身体に括りつけ、海に飛び込んだ。そして、海の藻屑となった。

 ラスキンは問う。人が金貨を所有していたのではなく、金貨が人を所有していたいのではないか?
 お金は持っているけれどそれを使うことしか興味ないという高級な御仁もいるだろうが、その方々にはやはりエラスムスの格言が耳が痛かろう。それは後日。