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雑草のような雑念と雑考

ブランコの話

 『ブランコの話』とは柳田国男翁の書物である。「少年と国語」のなかの一篇であります。
地方でブランコをなんと呼ぶか、それのみを一途に検討している。
長野県では「ブランドキ」、久留米市では「サンゲプラリン」、伊豆半島では「ドンブラ」と朝日新聞の支局の力を借りたのであろうけど、全国からブランコの呼称を集めている。
 山形の米沢附近では「ドンズキ」、栃木県河内郡では「ドンモンモ」、新潟県では「エンザモンザ」だという。

 いったいことばの多様化などというのは、追いきれるものではない。柳田国男がいくら気力と知力を兼ね備えたといっても、これはある時点での収集記録でしかないのだろう。
 晩年、柳田翁はことばの問題などにうつつを抜かすのではなかったと述懐していたそうです。