今から半世紀以上前のA.C.クラークのSFショートにこんなのがあった。 世界中の電話網が統合された翌日、世界各地の電話が一斉に鳴り響いた。そのあとに押し寄せた通信網の大混乱。ある人物は呟いた「今朝の電話は超知能誕生の産声だった」 いまでは、電話交…

日本に文化人類学をもｔらした人というと岡茂雄と石田英一郎ということになろう。 岡は石田にウィーン大学への留学を勧めた。自分自身も同大学で学んでいる。その異人論の研究結果はヨーロッパでの精神的財産になったと安藤礼二はどこかに記していた。 ただ…

寺田寅彦かだれかが正岡子規の『病床六尺』などの日記が部類に読まされると書いていた。ことにその食した料理や菓子果物の記録がいいとこの科学者は記していた。 寺田寅彦は彼自身胃弱であり、食堂で隣り合わせた職工がうまそうに定食と酒を食べるさまをうら…

トランプ政権の登場、それも二期も続く異形な権力者の出現を彼個人に押し付けてはならない。伝統のある共和党自体もトランプ政権に屈従しているのだし、強力なMAGA支持層がいることも忘れてはならない。民主党を含む対抗勢力はほとんどこの政権の前例のない…

中央大学で長らく教鞭をとった木田元は、思想史とくに西洋哲学の近代から現代にかかる独仏哲学思想を専門にされていた。惜しくも2014年に鬼界の人となられたが、去って十年たち、いまなお不在が身に染みる学者の一人である。 その語り口には専門家気風は微塵…

ここ数年来の日本の棋界の王者である藤井聡太のことは、ほぼ誰でも（日本の常識という意味で）知っている。ところがチェス世界選手権の王者については、誰かを知らないし、ニュースでも見たことがない。かつてボビー・フィッシャーの令名を耳にした世代とし…