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雑草のような雑念と雑考

登塔者シメオンと昭和の煙突男

 東ローマ帝国にあらわれたキリスト教の聖者というべき登塔者シメオンはギネスブック認定されたお方である。

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 どんな生活をしていたかについては記録があるのではあるが、40年間も塔のうえで苦行したという。

現代日本に住む日本人にとっては想像を超えるものがある。

 それに対比されるのは川崎市の工場の煙突男である。6日間の滞在時間を誇る。

 お名前も田辺潔さんとわかっているし、何と言っても昭和のヒトなのだ。写真も残る。 田辺氏の企図は実現し、工場の労働争議は労働者側の要求を入れることに決着した。残念なことに警察署による拷問死が2年後の田辺氏を待ち受けていた(あの時代にありがちな暗い出来事だ)

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 シメオンと田辺潔は時代も背景も動機もまったく異なるが、高い目立つ場所で自分の行状を晒すことで耳目を集めた点は共通だろう。なによりもその愛他精神は同じでなかろうか?

 なお、下記の記事によれば2006年のアレッポ近郊の爆撃によってシメオンの柱は砕かれたという。なんともはやバチあたりな行為ではある。

www.anglicancathedral.tokyo