かつて感じた情動を再起動させる。それが脳機能を賦活させる。
これが自分の仮説である。
不十分ながら、説明を試みる。
かつて感じたことのあるエモーションは脳内神経系のシナプス結合を促進する。エンドルフィンが情動と連携しているのは、ある程度確かだろう。つまり、脳内ホルモンはエモーションの吹き込みにより分泌が増やされるわけだ。
かつて経験したエモーションは、昔の脳内状態を再現する駆動力となるはずだ。よって、かつて聴き親しんだ楽曲やアニメはその刺激となるはずだ。
昔のエモーションが甦るのはその証ではないだろうか?
エモーションの甦りは確かに二番煎じである。初回の強烈さは失せているが、そのエモーションの再現は大脳にとってネガティブな作用ではあるまい。
その甦りはシナプス再結合を促す作用があるというのが、かなり思弁的ではあるが、自分の主張である。
年齢に応じて減少しつつある神経細胞数が大脳の趨勢である。その傾向に抗うには、残存する神経細胞間の結合(シナプス結合)を増やす戦略しかあるまい。
これを別名「一過性の不死体験」と表現したこともあった。若返りと呼んでもいいだろう。